実は今から十年ほど前、僕はあの祭りに参加をしたんです。
同好の輩から「お上が黙認している公然猥褻まつり」なんてきいてたもんだから、一度参加してみたいなって思ってて、ついに行動に移したのです。
どういうルートで現場に着いた、どんな手続きがあった等は割愛します。同じ参加者と木の桶で頭から水をかぶり身体を清めるのだが、その時からクライマックスの本殿前まで行く道の途中だって、とにかく盛んにフラッシュが焚かれるのだ。信じられないくらい執拗に真剣に、俺たちにレンズを向ける人たちがいる。マスコミじゃない。言うなれば、素人カメラマンだ。見た限り全員男だった。
僕を被写体におさめようとするその目、その態度はほんと真剣そのものだった。びっくりするくらい。今でも、あの晩出会った大勢の男達のもとに、俺の全裸姿が、何らかの形で画像になって保存されてるのかと思うと、正直・・・複雑な気持ちだ。
場所が変わり、いよいよ袋から出された、御札?(よくわからない)の奪い合い!もう、自分自身で自由な動きはとれず、ただ他の男達ともみ合うだけ。ついさっきまで、「けっこうスッポンポンもいるじゃん。」なんて余裕かましてたんだけど、もう何が何やら・・・。
そうこうしてるうち、とうとうとんでもない事態が!
誰かが、「我が息子」をまさぐってるんだ。あきらかな意志で、俺のチンポをさわりまくってるんだ。でも、前後左右どっちにも身動きが取れない。自分の意志で身体を動かせない。そして、ほどなくして絶対ありえないことが。ケツに!俺の肛門に!指が!指が!もう、ここまでにしておく。とにかくそういうこと。
地元が、「近年、祭りの本来の趣旨が歪められてる。」「神(仏?)を冒涜する行為がある。」と言ってることがよくわかった。
今年は注目度が高くて、絶対ふんどし着用になったらしいから、どうなったのか知らないけど。 あの祭りはゲイの巣窟になってたんだ。
なんで、尻のところに、ふんどし姿で屋外にいなけりゃ、できないような日焼けの跡がある人が多いんだろう?夏にも何かあるのかなって思ってた疑問は、ほんの短時間ですぐに解けた。